HICPMメールマガジン第761号(2018.06.01)

これまでの取り組み、これからの取り組み

HICPMが創設以来取り組んできた姿勢は、欧米の住宅産業の先進性に学ぶことを推進するため、私の知識、経験から優れている欧米の技術を技術移転しようとしてきました。それは啓蒙的な視点、言い換えれば上から目線でHICPMの運動を引っ張ってきました。しかし、HICPMの政策は目先の利益を拡大する不法ではなく、長期間かけて努力をし、その努力の成果として消費者が利益を手にすることで、住宅産業界の信用が高まり、評判が広がて企業経営が拡大するというもので、消費者を騙してでも高額半日をして利益を上げるものではありませんでしたから、HICPMの進める方法で短期に利益を拡大することはありませんでした。

23年のHICPMの活動を通して、CM(コンストラクションマネジメント:建設業経営管理)や建築設計業務の技術移転で、完全にその実施方法で失敗したことが分かりました。欧米でビルダー、リモデラー、ディベロッパーという建設業者が建設業として利益を上げるためには、CM技術を高める以外にないと産業界が考え、建設産業で働く人は大学や高等専門学校のCM学部CMの実践知識を勉強します。

プラザ合意でドル価値が高ドル安」で、1ドル240円から130円「「下落したとき、米国はその経済危機を凌ぐための輸出の促進を行ないました。わが国の中曽根内閣の輸入住宅政策は米国の輸出建材政策に対応するもので、建材輸出を促進するためには日本の建設業界が高い生産性を上げて大きな利益を上げる必要があると考え、米国政府はCM技術を日本国内で展開するためCMの実務者(大学教授)を派遣してきました。

HICPMもその動向を受けて、民間ベースでのCM技術の技術移転に取り組み、創設以来23年間取り組んできましたが、その技術移転には失敗しました。現在欧米のすべての国でCM教育が行われています。それなのになぜ日本ではCM教育は根付けなかったのでしょうか。結論から言えば、日本では建設業は生産性を高めなくても、高価格で販売し高い利潤を得ることができるため、建設業界にCM技術を求める意欲がありませんでした。

「差別化」と不等価交換販売とそれを可能にする不等価交換金融により、価値の低い不動産を高額で販売し高い利潤が得られたからです。購入者が高い住宅を高いと感じなかった理由は、その住宅を購入する上で必要なお金が住宅業者の言いなりに住宅ローンとして融資されたから消費者は住宅購入する上で資金に困らなかったからです。ローン返済ができなくなって融資対象となった住宅不動産を市場で売却しなければならなくなったとき、その価値は購入時価格の半額以下であることに初めて気付かされます。しかし、それは半日時に価値の低い住宅を高額で交わされたと説明されないため、不当な販売をされたと考えていないのです。

価値の低い住宅不動産を高額で販売され、それが露見したとき、住宅産業は政府と声を合わせて、「住宅不動産は減価償却をするから、不動産の価値は自動的に下落すると虚偽の説明をしてきました。住宅産業と住宅金融業が不正に利益を上げる日本の住宅政策の下で、CMのような合理的な建設業技術は育ちません。住宅政策によって住宅産業界が利益を上げ消費者が資産を失ていく社会はまともな社会ではありません。住宅産業界の関係者も消費者を騙して住宅産業界が利益を上げているというこの不正な構造を知っていれば、それを容認しないと思いますが、そのからくりが産業界にも知らされていません。

日本の住宅の価格が欧米の2倍以上になっている理由はそこにあります。その結果、国民は住宅を購入することで貧しくさせられています。その構造を改めない仮り、国民は住宅を購入することで貧困化させられることになります。

私は消費者が豊かな住生活を夢見て注文住宅を建設してきた歴史を半世紀以上に亘って見てきました。しかし、欧米では注文住宅を取得することで殆どの場合、夢をかなえてきましたが、日本では夢が叶えられないできました。そこで、欧米同様に持ち家を取得することで豊かな住生活を実現する道筋を明らかにしようと考え、「注文住宅」というテーマ消費者が豊か住宅を取得するストーリーを作成しようとしましたが、日本ではできないことが分かりました。そこで欧米ではできることが、なぜ日本ではできないのかという疑問に答える書物にすることにしました。一旦書き上げた文章を、現在消費者の視点で、「なぜ日本では欧米で可能なことができないのか」というしtンで書き換えています。

次回のこのメールマガジンでは最初から少しづつですが、このような趣旨で書き替えた文章を掲載することにいたします。

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