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価格:\2,000+税 四六判・178頁
戸谷英世、久保川議道 共著
井上書院 刊
1 本書出版の背景
住宅ローンを組んで破産や自殺事故が発生している理由は、日本の住宅の経済的価値が低く、融資対象住宅の売却で住宅ローンが返済できないためです。このような例は、欧米だけではなくモーゲージローン(抵当金融)を行っている国では考えられないことです。
日本では、住宅の価値が値崩れすると説明されていますが、それは誤りで、もともと中古価格でしか取引できない貧しい住宅を騙して高い価格で販売してきただけです。この不当な価格に、一見正当性があるように思わせてきた仕組みが、住宅金融公庫の業者の根付けどおりの融資だったのです。住宅金融公庫は、国家から4千億円〜1兆円に近い補助を受け入れ、通常の金融機関のような税金も納付せず、消費者には返済能力の2倍以上の過大なローンを貸し付け、住宅の資産価値についての評価もせず、金融するという不良な金融機関であったため、小泉内閣はその融資業務の廃止を決定せざるを得ませんでした。
日本の住宅金融の欠陥を改めるべきであるという考えの下に、日米の住宅産業を住宅金融の視点から比較研究してきました成果の一部です。
2 資産価値のある住宅、ない住宅
資産価値の評価の物指しは価格です。自由社会では、市場価格(プライス)は、市場の需要と供給との関係で決まります。市場価格を売り手に操作することは、基本的に行ってはならないことです。しかし、日本の住宅産業では販売例が市場価格を操作してきました。建設業者は、建設業法第20条に定める原価(コスト)の内訳明細を建築主に示すことをせず、複合単価や一式工事費という間違ったやり方で、消費者にコストを示さないで販売価格操作が行われてきたことに基本的な問題があります。
米国の金融機関は、完成した住宅の抵当権の価値に住宅ローンが等価交換として行い、建設ローンは工事中の建築物の価値に対する先取特権と等価交換で行われます。金融機関の抵当権をFHAが債務保証をする条件に、FHAは厳しい建設基準と標準建設費を定め、それに基づいて金融機関の融資審査が行われます。戦後60年の米国の歴史は、FHAとNAHBの標準建設費をめぐる闘いでもあり、NAHBの内部では、CM(コンストラクションマネジメント)による住宅建設業者のムリ・ムダ・ムラとの闘いであったといわれています。米国の住宅が中古になっても、値上がりし続ける理由は、本当に資産価値があるためです。
3 リースホールドとスーパートラストマンション
本書は、欧米のように日本の住宅産業が経済復興の鍵を握っていることを数字的に明らかにするとともに、その鍵はリースホールドによる住宅地開発であることを明らかにしています。また、現時点の多様化する住宅市場の中では、高級賃貸住宅の供給をスーパートラストマンションとして取り組む事例について検討しました。これは英国のビルディングソサイエティやS&Lの考えと共通するものとして、現下の住宅問題を考える上で参考にして頂けると思います。
目次
序章 資産となる住宅、ならない住宅
1章 地価と都市計画
2章 住宅・住宅地大改造計画
3章 負の資産の再生利用
4章 リースホールドによる住宅地開発
5章 住宅による地方経済の振興
6章 永住型の賃貸住宅・スーパートラストマンション
資料/スーパートラストマンション・ビジネスモデルの全体像
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