BM第254号をお届けいたします。

 

本号で特集した(ハーバーシャム)TND開発の学習のために、国内ツアーが実施され、ジョンソンタウン、ときわ台、田園調布の3住宅地を見学しました。3地区を選んだ理由は、以下のとおりです。

  • ジョンソンタウンに関しては5年ほど前、米国のニューアーバニズムと同じ方向の住宅地経営と判断されました。そこでTND・ニューアーバニズムの考え方を意識的に取り入れたらと経営者にお話しし、ニューアーバニズムプロジェクト見学にお誘いしました。磯野社長は所長(息子)を米国に出張させ、後日、ご自身も米国ツアーに参加されました。磯野社長の居住者の生活意欲を生かした住宅地経営は、国土交通省や日本建築学会からも表彰されています。

 

  • ときわ台は、田園調布と並ぶ東京における電鉄が行った郊外開発で、当時、内務省が欧米の住宅地開発を研究していたことで、内務省技官小宮健一が米国の資料を学んで立案した住宅地です。私自身住宅官僚として第5次建築基準法改正の時、小宮さんは建築審査会委員で米国の防火避難規制の助言を受けた際、ときわ台の話を聞きました。その後、HICPMで米国の住宅地開発の調査研究をする中で、ときわ台の計画とTNDと接点を確認したくなりました。私は5,6年に亘り、都市再生事業関係の行政法違反事件で住民訴訟を支援してきました。

 

  • 田園調布はHICPMの会員ボークス(内海社長)がTND開発の取り組んでおられ、今回住宅地開発をTMDで行う節目の開発に取り組まれました。田園調布の街並みを見学後、そのTND開発地の現地見学と現段階の開発計画の考え方を社長宅で説明をうけました。HICPMは、これまで米国のTND開発としてわが国で取り組んできたプロジェクトの成果を計画にも生かせるようボークスに申し入れ、HICPMもボークスの計画検討会にも参加しています。

 

HICPMが創設以来、欧米の優れた技術を調査研究し、その国内への技術移転に努めてきたことを内海社長の提唱でHICPMのホームページの再構成と新たにユーチューブを開始して下さっています。私もその動きに呼応し、「アワニーの原則」の確認のカリフォルニア住宅調査を行い、「米国の優れた技術を日本の住宅産業に技術移転する」よう、HICPM会員が自らの能力を高め、実際の事業を通して住宅購入者の利益重視しつつ企業経営体質を高める取り組みに対応できる準備をしています。

 

今回のツアー参加会員から「CMを学びたい」という嬉しい申し出があり、近く実施できそうです。HICPM会員各位が様々な形でHICPMの運動を支援してくださっていることに感謝しています。

 

BM第254号目次

 

2.インターナショナル・アーツ&クラフツ:

---チャールズ・ヴォイジー:織物(テキスタイル)のデザイン、1889年

3.カレントトピックス:

---「メイドカフェ」方式の住宅産業界の「顧客満足」

4.松尾憲親の「荻裏ガーデンサバーブ」の住宅経営奮戦記

第2回《住宅地経営》きほんてきかんがえかた

5.特集:TND・ハーバーシャム(ビュフォート、サウスカロライナ)

---DPZ(アンドレス・ドゥアーニー、エリザベス・プラター・ザイバーグ)がTND開発として実施した所期の開発で、そこでは住生活環境が地代とともに居住者の生活要求の変化に合わせて成長するような住宅地経営を考えた開発になっている。HICPMはこれまでの3どこのちょを訪問ディTND調査を行ってきたが、都市は生き物のように成長し、人々の喜びが聞こえてくる町である。今回はできるだけ映像を取り入れて紹介した。

10.竹山清明の街並み講座:

---フィレンツエの中心市街地の住宅地と住宅のインテリア

11澁谷征教の住宅のデザインのワンポイント(60)

---南町田マークスプリング設計企画委の裏話―2

12.オランダ・アメリカ・日本の住宅(第33回)

---スラムクリアランスからHOPEⅥ による再生

14.「聖域なき構造改革」、「官から民へ」の本音:(第37回)

---集団的自衛権と憲法解釈の共通点

16.ア・フィールド・ガイド・トゥー・アメリカン・アーキテクチュア―(105)(106)

---公共建築と商業建築、アーリーヴィクトリアン様式、1820-1860、グリークリバイバル、レネサンス・アンド・ロマネスク・リバイバル

18.CM学習の原点に戻って(5)

---米国の専門家の教育:PEPSI

19「街づくり教科書」(12)

---都市工学と人文科学

20.書籍注文・編集後記

 

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