ニューイングランド・コロニアル様式
英国から米国に渡った人々は、様々な形の自由を求めてやってきた。中でも主として信教の自由を求めて渡米した清教徒(ピューリタン)達は、北部のニューイングランド地方にやってきて入植したのに対し、経済的自由を求めて肥沃な南部のバージニア地方に、タバコの生産など経済の自由(利潤の追求)を求めて移民した人々がある。自由• 平等と 言っても、その内容は多様であり、その中には敵対するものもある。しかし、アメリカは、常に様々な意味での自由と 平等を追求しつづけているという意味で、未来(彼岸)に向けて、絶えず努力している国なのである。
[ハーフティンバー構造(軸組柄差工法)]
北米には豊かな針葉樹林があり、英国の ハーフティンバー構造によって使われていた広葉樹が 針葉樹に置き換えられてつくられた。その構造の基本は、ジェティ (2階部分が1階外壁より張り出した構造) のある住宅で表側を通し柱にしないものが多く、床版の上に壁がつくられていると誤解され、日本の木造建築研究者により 戦後のプラットフォーム工法の原型だとする誤った解説がある。
[ケープコッド型]
英国からの移民が最初に上陸した地点がニューイングランドのケープコッド(コッド岬) である。そこで 英国からの移民が最初に建てた住宅が 矩形平面、切妻屋根 平入り 対称型デザインの住宅である。
[ソルトボックス型]
ソルトボックス型の住宅は、切妻型の2階建住宅の裏側の庇を1階部分まで延ばして、裏側からは平屋建てに見え表は2階建の住宅形式で、塩入れに似ていたことからソルトボックスという名がつけられた。
(注)スタイル(Style)は様式を言い、タイプ(Type)は型式を言う。ニューインクランドスタイル(様式)はケープコッドタイプ(型式)の住宅にも、ソルトボックスタイプ(型式)の住宅にも採用されている。